[제 목] 마녀 배달부 키키 魔女の宅急便
[장 르] 애니메이션, 판타지
[감 독] 미야자키 하야오
魔女の宅急便
ラジオ : 西北の カリキア 地方の 天氣豫報を 送りします.
大陸より 張出した 高氣壓に よって 天氣は 大體に 回復に 向かって います.
今夕は 西北西の 風, 風力は 3, 晴れ. 素晴らしい 滿月の 夜に なるでしょう.
明日は 晴れでしょう. 明日後は 晴れでしょう.
次は 生鮮 食品 市況を 送りします. カリキア中央市場しがめ…
[つたで 覇われた 家]
キキ : ジジ, 今夜に 定めたわ! 出發よ!!
キキ : お母さん!!
はっ, いらっしゃい. お母さん, 天氣豫報 聞いた? 今夜 晴れるって. 絶好の 滿月
だって!!
母さん : キキ, あなた また お父さんの ラジオ 持ち出したの?
キキ : ね, いいでしょう. ト-ラさん, こんにちは. あたし 定めたの, 今夜に するわね.
母さん : だって, あなた, 昨夜は 一月 延ばすって!
キキ : 次の 滿月が 晴れるか どうか わからないもの. あたし, 晴れの 日に 出發したい
の!
母さん : あ, 待ちなさい! キキ!! あっ! ああ……
ト-ラ : 出掛けるって, 魔女の 修行の こと?
母さん : ええ, 古い しきたりなんです. 魔女に なる 子は 13歲 なったら うちを 出るって
ゆう.
ト-ラ : 早いもんだね∼. キキちゃんが もう そんなに なるんだね∼.
母さん : でも あの 年で 一人立ちなんて, 今の 世に あいませんわ.
ト-ラ : あなたが この 街に 來た 日の ことを よ-く 憶えてますよ.
13歲の 小さな 女の 子が ほうきに 乘って 空から 降りて 來たわ.
目を キラキラさせて, ちょっと 生意氣そうで…
母さん : でも, あの 子ったら 空飛ぶ ことしか 覺えなかったですよ. この 藥も 私の 代で
おしまいですわ.
ト-ラ : 時代の せいですよ. 何もかも 變わって しまう. でも あたしの リュ-マチには あ
なたの 藥が 一番 效くわ.
母さん : うふふ…
[キキの 部屋]
キキ : あら, あんなに 急かせた くせに いざと なったら ぐずつくのね.
ジジ : 違うよ. 旅立ちは もっと 愼重に 嚴かに 行うべきだと 思うんだよ.
キキ : そして 一月 延ばして すてきな ボ-イフレンドが 現れたら どう するの? それこ
そ 出發 できや しないわ.
ジジ : どうなる ことやら, 心配だね. 定めたら すぐの 人だから.
キキ : あら, そう. あたしは 贈り物の 蓋を あける 時みたいに ワクワクしてるわ.
は, お父さん! あたし, 今夜 立つ ことに したの!
父さん : なんだって?
キキ : さっき 定めたの!
父さん : だって, ほら! 來周 キャンプに 行く 道具 借りて 來たのに!!
キキ : ごめんなさい!
父さん : あ, これは, いかん! ああっ!
父さん : (電話で) ありがとう. じゃ, お待ちしてます.
オキノです. 今夜 キキが 出す ことに なりまして…ええ, そうです.
母さん : よさそうね.
キキ : せめて コスモス色なら いいのにね.
母さん : 昔から 魔女の 服は こうって 定まってるのよ.
キキ : 黑描に 黑服で 眞っ黑黑だわ.
母さん : キキ, そんなに 形に 拘らないの. 大切なのは 心よ.
キキ : わかってるわ. 心の 方は まかしといて! お見せ できなくて 殘念だわ.
母さん : そして いつも 笑顔を 忘れずにね?
キキ : は--い.
母さん : 落ち着く 先が 定まったら すぐ 手紙を 書くのよ.
キキ : お父さん! あの ラジオを ちょうだい? ねえ, ラジオは いいんでしょう. やった!
父さん : はは, とうとう 取られたな. どれ, 私の 小さな 魔女を 見せて おくれ.
キキ : うふふふ…
父さん : 母さんの 若い 頃に よく 似てる.
キキ : おと-さん, ね, 高い高いして, 小さい 時みたいに!
父さん : ようし.
キ&オ : あははははは---…
父さん : いつの 間に こんなに 大きく なっちゃったんだろう…
うまく 行かなかったら 歸って 來て いいんだよ.
キキ : そんな ことに, なりませんゆ--だ!
キ&オ : あははははは---…
父さん : いい 街が 見つかると いいね.
キキ : うん.
[夜·庭]
男子 : 自分で 住む 街を 見つけるなんて 大變だね.
女子 : 大丈夫よ, キキちゃんなら.
少女A : ねね, どんな 街に するの?
少女B : 大きな 街?
キキ : うん, 海の 見える とこ 搜す つもり.
少女達 : うわあ∼∼ うらやましいの∼∼
キキ : あたし 修行に 行くのよ. よその 街で 一年 頑張らないと 魔女に なれないんだか
ら.
少女A : でも, ディスコ あるでしょう?
一同 : ククッ, ウハハハ∼∼∼
母さん : キキ, 時間よ.
キキ : は--い!
母さん : あなた その ほうきで 行くの?
キキ : うん. 新しく 作ったの. 可愛いでしょう.
母さん : 馱目よ, そんな 小さな ほうきじゃ. お母さんの ほうきを 持って 行きなさい.
キキ : やだ, そんな 古いの.
母さん : だから いいのよ. よ-く 使いこんで あるから. 嵐にも 警かずに 飛ぶわ. ね, そ
う しなさい.
キキ : せっかく 苦力して 作ったのに…. ね, ジジ.
ジジ : ぼくも お母さんの ほうきが いいと 思う.
キキ : 裏切者!
ト-ラ : キキちゃん, 街の 暮らしに 慣れたら 自分のを 作れば いいんじゃない?
キキ : うん…
母さん : 氣を つけて!
父さん : しっかりね.
キキ : 行って 來ます---!!
少女達 : Go Go キキ!! Go Go キキ!! Go Go キキ!! Go Go キキ!!
うわあ∼∼っ!!
母さん : 相變わらず ヘタね.
父さん : 大丈夫だ. 無事に 行ったようだよ.
男子 : あの 鈴の 音も 當分 聞けないんだな.
[上空]
ジジ : どっちへ 行くの?
キキ : 南よ, 海の 見える 方!
ジジ, ラジオ つけて! 今 手が ふさがってるの! 早く!!
魔女の 宅急便
書き取り : 河 周瑩(haime - Hitel)
キキ : こんばんは.
先輩魔女 : あら, あなた 新人?
キキ : はい, 今夜 出發したばかりです!
先輩魔女 : その 音樂 止めて くだされない? あたし 靜かに 飛ぶのが 好きなの.
キキ : あ.
あ, あの, 知らない 街に 住みつくって, 大變ですか?
先輩魔女 : それはね, いろいろ あったわ. でも あたし, 占いが できるので まあまあ やって
るわね.
キキ : 占い?
先輩魔女 : 近頃は 戀占いも やるのよ.
キキ : はあ∼∼
先輩魔女 : あなた 何か 特技 あって?
ジジ : えっ, いいえ, いろいろ 考えては いるんですけど…
先輩魔女 : そう. あたしは もう じき 修行が あけるの. 胸を 張って 歸れるので 嬉しいわ.
あの 街が あたしの 街なの. 大きくは ないけど まあまあって ところね.
あなたも 頑張ってね.
キキ : はいっ!!
先輩魔女 : じゃあね.
ジジ : やな 感じ. あの 猫 見た? べ∼∼∼…
キキ : 特技か……
きゃあああ∼∼!! 何よ あの 天氣豫報は!!
ジジ : だめだよ, 貨物列車だもん!
[貨物列車の 中]
キキ : 雨が 止むまで 一休みしよ.
ジジ : 叱られないかな.
キキ : 見つかればね.
あ∼, びしょ濡れ.
ジジ : ここ 搖れない?
キキ : あはは, いい におい∼∼!
[翌日 朝]
キキ : うあ, あ, ははは, うふっ, …
ごめん, あなた達の ご飯って 知らなかったの.
はあ∼∼, ジジ, 海よ 海!! すごい∼∼! 初めて!
ジジ : なんだ, ただの 水たまりじゃないか.
キキ : あ, 見て 見て!!
大きな 街! あの 街に 魔女 いるかしら.
ジジ : さあね.
キキ : 行くよ!
[上空]
キキ : ジジ, くっついてる?
ジジ : ああ.
キキ : 見て∼! 海に 浮かぶ 街よ!
時計塔よ! あたし, こんな 街に 住みたかったの.
ジジ : でも もう 他の 魔女が いるかも 知れないよ.
キキ : いないかも 知れないわ.
[街の 上]
キキ : すごいね∼!
ジジ : ちょっと 大きすぎるよ, この 街.
時計員 : ああ, 魔女とは 珍しいな.
ジジ : おはよう ございます! あの, この 街に 魔女が いますか?
時計員 : いや, 近頃は とんと 見かけんな.
キキ : 聞いた? この 街に する! おじいさん, ありがとう!!
時計員 : いや.
[大路の 上]
ジジ : ほんとに 降りる 氣?
キキ : もちろんよ.
人達 : おお, うわああ∼∼!!!
ジジ : みんな 見てるよ.
キキ : 笑顔よ. 第一 印象を 大事に しなきゃ.
キキ : あの, あたし, 魔女の キキです. こっちは 黑猫の ジジ. お邪魔させて いただき
ます!
あたし この 街に 住ませて いただきたいんです. きれいだし, 時計塔も 素敵だ
し.
女子 : そう? 氣に 入って もらって よかったわ.
警察 : 君君, 道路に 飛び出しちゃ 馱目じゃないか.
危く 大事故に なる ところだ. 街中を 飛び回るなんて, 非常識 きわまりない.
キキ : でも, 私は 魔女です! 魔女は 飛ぶものです!
警察 : 魔女でも 交通規則は 守らなければ いかん. 住所と 名前は?
キキ : 家に 連絡するの?
警察 : 君は 未成年者だろう? 必要が あれば そうする ことも ある.
トンボ : 泥棒∼∼ 泥棒∼∼
警察 : おっ!
トンボ : 泥棒∼∼
警察 : 君は ここに いたまえ!!
ジジ : キキ…
トンボ : ねね, ね, うまく 行っただろ? 泥棒って 言ったの 僕なんだぜ.
君, 魔女だろ. 飛んでる ところを 見たんだよ. ほんとに ほうきで 飛ぶんだね∼.
ね, その ほうき ちょっと 見せて くれない?
少年 : トンボ!! 朝っぱらから ナンパかよ!
トンボ : バ∼カ!! ははは∼…
賴むよ. ちょっとだけ. ね, いいだろ.
キキ : 助けて くれて ありがとう. でも あなたに 助けてって 言った 覺えは ないわ. そ
れに きちんと 紹介も されてないのに 女性に 聲を 掛けるなんて 失禮よ. ふん!
トンボ : お… さすが 魔女だな. 僕の 婆ちゃんみたいだ.
キキ : ついて 來ないで!
トンボ : おお…
ああっ, かっこいい∼∼!!
[ホテル]
プロント : お泊り? どなたか 保護者の 方は いらっしゃらないのですか?
キキ : 私は 魔女です. 魔女は 13歲で 一人立ちを するんです.
プロント : では 身分證明書などを……
キキ : けっこうです.
[公園]
ジジ : 食べないの?
キキ : ほしければ ジジに あげる.
ジジ : もう 夕方に なっちゃうね.
キキ : 行きましょう.
[パン屋の 前]
ジジ : 別の 街を 搜そうの. 大きくても もっと いい 街が あるよ, きっと…
オソノ : 奧さん! 忘れ物!! 奧さん!!
ああ, 困ったね. これが ないと あの 子 大泣き するんだよ.
お客さん, 惡いけど 待ってて. これ 屆けて 來るから.
キキ : あの, あたしで よければ 屆けましょうか.
オソノ : ええ? でも.
キキ : あそこを 曲った 乳母車の 人でしょう.
オソノ : じゃ, 賴むわ. 惡いね.
キキ : いいえ. ジジ, 行くよ!
オソノ : ええ… おおっ, わあ∼∼…
キキ : パン屋さんに 賴まれました. 忘れ物です.
赤ん坊 : ウワアアア∼∼∼---…
赤ん坊母 : ウフッ.
キキ : ははは∼∼…
[パン屋]
オソノ : ありがとう, お待ちどおさま, いつものね. あ, ご苦力さん, 入って 待ってて.
ありがとう, お待ちどおさま, はい, どうも, 氣を 着けてね.
警いちゃったよ. あんた, 空 飛べるんだね.
キキ : この 手紙を 預かって 來ました.
オソノ : あの 人の サインじゃない. おしゃぶり 受け取りました. ありがとう.
キキ : じゃ あたしは これで.
オソノ : ああ, 待って. ね, ちょっと よってかない? お禮も したいしさ.
こっちよ. 座って. コ-ヒ-が いい?
キキ : はい.
ありがとう.
オソノ : 君は これ.
なるほどね. 自分の 街を 見つけるって わけか.
キキ : この 街の 方は 魔女が お好きじゃないみたいですね.
オソノ : 大きい 街だからね. いろんな 人が いるさ. でも あたしは あんたが 氣に 入った
よ.
で, 泊る ところは 定まったの?
キキ : ……
オソノ : なんだ, そうなら 早く 言えば いいのに. うちに 空部屋が あるから 使って いい
よ.
キキ : 本當ですか, 奧さん!?
オソノ : ははは---, 奧さんじゃないよ. ここらじゃ パン屋の オソノで 通ってるんだよ.
キキ : あたし キキです. こっちは 黑猫の ジジ!
[別館 樓]
オソノ : ちょっと 汚いけど 好きに して いいから.
キキ : はい.
オソノ : 水と トイレは 下よ. なんか あったら 遠慮なく 言いなさい.
キキ : ありがとう.
ジジ : 粉だらけだね.
キキ : うん.
ジジ : ぼく 明日に なると 白猫に なってると 思うよ.
キキ : ジジ, 海が 見えるよ.
ジジ : 明日 他の 街を 搜す?
キキ : ……
ジジ : お? ちぇ ちぇ, きどってやんの.
キキ : あたし もう ちょっと この 街に いるわ. オソノさんのように あたしの こと 氣
に 入って くれる 人が 他にも いるかも 知れないもの.
[翌日 朝]
キキ : 電話を 引くのって いくらすると 思う?
ジジ : 電話?
キキ : そう. お店 開くの.
[製パン室]
キキ : おはよう ございます.
オソノ : おはよう. よく 眠れた?
キキ : ええ, いい においね. 手傳って いい?
オソノ : うん.
オソノ : 宅急便ね.
キキ : あたし 空を 飛ぶしか 能が ないでしょう. だから お屆け屋さんって どうかなっ
て.
オソノ : 面白いよ, 空飛ぶ 宅急便て わけね. 考えたね. あの 部屋 使っても いいからね.
キキ : ほんと!? 嬉しい!
電話を 引こうと 思ってるの.
オソノ : お金が 掛かるじゃない?
キキ : すこしなら 持って 來たの.
オソノ : もったいないよ.
ねえ, この 店の 電話を 使いなよ. お客が 着くまでが 大變なんだからさ. あたし
こんな おなかだから あんたは 時時 店番 やって くれれば 部屋代と 電話代 なし
ってので どう? ついでに 朝御飯も 付ける!
キキ : はあ, ありがとう!! あたし, うんと はたらくね!
オソノ : うあ!
キキ : オソノさんって いい 人ね.
オソノ : ははは----
[キキの 部屋]
キキ : ジジ, 終ったよ. お買物に 行こう.
ジジ : 飛び出しちゃ 馱目だよ. 舍じゃないんだから.
キキ : わかってるわよ. ついよ つい.
少女達 : あははは--… ききっ∼…
キキ : もう ちょっと 素敵な 服なら よかったのにね.
キキ : 暮らすって 物要りね.
ジジ : キキ, 見て 見て!
お金 足りる?
キキ : しばらくは ホットケ-キで 頑張るしか ないわね.
すてきね…
少女達 : あははは∼!
トンボ : ああ, 止めて 止めて. 魔女子さん!! 今日は 飛ばないの?
なあ, 本當に 黑い 服 着てるだろ. ねえ, ちょっと 待ってよ, 魔女子さん!
少女達 : あははは∼!
[パン屋]
オソノ : キキ, ちょうど よかった. お客さんよ.
キキ : え?
オィノ : お屆け物を 賴みたいって 言う 人が いるの.
キキ : 本當? すぐ 行きます.
あ, 地圖!
オソノ : お店の お得意さんなの. あんたの 話しが 出たら ちょうど いいからって.
マキ : 可愛い 魔女さんね.
キキ : キキと 言います.
マキ : これを 屆けて ほしいんだけど. 夕方までに 間に合うかしら.
キキ : はい!!
マキ : 甥の 誕生日の プレゼントなんだけと, 急に 仕事が 入って 行けなく なっちゃっ
たのよ.
キキ : どちらへ お屆けしましょう?
ジジ : ぼくが いる.
マキ : ちょっと 遠くないかしら?
キキ : まっすぐ 飛べますから.
マキ : お禮は いかほど?
キキ : え, まだ 定めて ないんです.
マキ : これで どうかしら?
キキ : こんなに たくさん!? ありがとう ございます!!
トンボ : あっ, うわあ---!! それっ!
すごいな∼∼!!
オソノ : あたしも 飛べたらね.
トンボ : おばさん, あの 子 知ってるの?
[上空]
ジジ : キキ, どこまで 登る つもり?
キキ : 仕事 初めだもの, おまわりさんに 邪魔されたくないじゃない?
ジジ : ぼくは また 天使に お屆けものを するのかと 思ったよ.
キキ : あの 岬の 向こうだわ. 行くわよ!!
ジジ : わあっ!
キキ : ジジ, あたし この 街 氣に 入ったわ!
ジジ : 安心するのは ご用心!
キキ : これで お母さんに 手紙を 書けるもの!
キキ : 雁の 群よ, すてき--!!
あたし達と 同じ 方向に 行くんだわ.
あははは∼…… どうしたのかしら?
ジジ : 風が 來るって.
キキ : え?
ジジ : 高く 高く 登ろうって.
キキ : きゃあっ!!
大變!!
[森]
キキ : はあ!! いけない! ごめん, ごめん!!
許して, あなたの 卵を 狙ったんじゃないのよ!
はあ, 怖かった.
ジジ : キキが いけないんだよ. せっかく 雁が 風だと 敎えて くれたのにさ.
キキ : ほんとね.
すごいね∼. あの 風を 使って あんなに 高くへ 登ってる!
ジジ : キキ!!
キキ : うん?
ジジ : いなく なっちゃってる!!
キキ : ほんと!? 大變!!
ジジ : 落ちた 時かな!
キキ : うん!!
ジジ : 卵泥棒が また 來たって 言ってるよ.
キキ : そんな… どうしよう?
ああっ, うわあっ!!
うああ, ほうきを!! やめて, やめなさい!! こら, やめて!!
キキ : 困ったな. まだ 騷いでるわ……
ジジ : あ--あ. 魔女も 落ちぶれたものだよ. 烏は 魔女の 召使だったのにさ.
キキ : それは 大昔の ことでしょう!
ジジ : 日が 沈んでから そっと 近付いて 搜すしか ないね.
キキ : 約束の 時間に 遲れちゃうわ.
ジジ, こう なったら 最後の 手段よ!
ジジ : 見つかっちゃうよ∼∼!
キキ : お願い, 搜したら すぐ 助けに 行くから.
ジジ : あの うち.
キキ : うん. 動いちゃ 馱目よ.
ジジ : 息は?
キキ : できるだけ しないで.
[ケトん家]
ケト : あ, おばちゃんの プレゼントだ. 變なの.
あははは, ははは--…
母 : 遲かったね. 妹から 電話が あって 待ってたの.
キキ : すみません. サインを お願いします.
子供 : お母さん, カナリア 移しても いい?
母 : いいわよ. 逃さないように 氣を 着けてね.
ケト : うん!
キキ : ありがとう ごさいました!
ケト : おとなしく しな, ピチ. こら, だめだよ, にげちゃ.
ジジ : キキ, 早く∼!
[森]
キキ : 困ったわ, この 邊の はずなんだけど……
はあ, あった!
ごめん ください! どなたか いらっしゃいませんか?
ごめん ください!
ウルスラ : は-い!! 今 手が 放せないの! 上がって 來て くれる?
キキ : はっ!!
ウルスラ : 何?
キキ : あの, 窓の とこに ある ぬいぐるみの 黑猫, あたしが 落としたものなんです.
ウルスラ : いい 子ね, 動かないでね.
さき 森で 拾ったのよ.
キキ : あの, 返して くださいますか?
ウルスラ : ちょっと 待って, 今 いい とこなの.
すてきよ∼ あんた 美人だね.
[丸木の 小屋の 中]
ウルスラ : なんだ, そうなら そうと 早く 言えば いいのに. ちょっと 氣に 入ってたんだ.
キキ : すみません. はあ! やぶけちゃってる……
ウルスラ : 烏達の 仕業ね. あの 時 騷いでたから.
キキ : どうしよう, お客さまの 物なのに……
ウルスラ : ね, 交換條件ての どう?
ウルスラ : 13歲で 一人立ちね. いいね, あたし そういうの 好きよ.
キキ : あの, 直ります?
ウルスラ : まかせとけって!
[ケトの 家]
母 : ケトちゃん!
ケト! 早く お風呂に 入りなさい! 客さんが じきに 見えるわよ.
ケト!!
[森]
ウルスラ : できた!!
キキ : ありがとう!!
ウルスラ : さ, 急いで ジジ君を 助けに 行きな.
キキ : でも まだ 片付けない…
ウルスラ : もう 十分だよ. さ 行った 行った!
キキ : ありがとう!!
ウルスラ : ふふ…
[ケトの 家]
ケト : ほんとに ジェフって かわってるよ.
皆 : はははは--……
母 : おかしいのよ, ジェフったら 猫の ぬいぐるみが すっかり 氣に 入っちゃって 放
さないの.
父 : 小犬だと 思ってるんじゃないかな.
婆さん : マキが 聞いたら 怒るわね.
皆 : ハハハ---……
ケト : いいんだ, ジェフに あげるんだよ, ぼく.
母 : マキ おばちゃんに 手紙 書いたら?
ケト : うん.
婆さん : ジェフも すっかり 年を 取ったからね. やさしく して あげるんだよ, ケト.
ケト : でも 寢てばかり いるよ.
婆さん : そうだね.
母 : ケト, ジェフが 出たがってるわ. 開けて あげて.
ケト : はい.
すんだら 自分で 締めるんだよ.
キキ : ジジ!
ジジ : 遲いよ∼∼∼!!
キキ : ごめんね.
ジジ : あの 人が 助けて くれたんだよ.
ぬいぐるみを 屆けて くれるって.
キキ : お願い できますか.
[上空]
キキ : まだ 體 おかしい?
ジジ : おなか 減った.
キキ : ほんとね. あたしも クタクタ. でも すてきな 一日だったわ.
そうだ, ぬいぐるみを 見つけて くれた 人がね, あたしを モデルに 繪を 畵きた
いって.
ジジ : ヌ-ド?
キキ : バカ!
[晝·パン屋]
キキ : ひまね.
ジジ : あ, 馱目だよ. 店番中なのに.
キキ : だって お客さん ちっとも 來ないんだもん.
ジジ : もう すぐ こむ 時間に なるよ.
キキ : 違うの. お屆けものの お客さん. ジジ, この まま ずっと お客さんが 來なくて
お婆さんに なるまで 每日 每日 まい---にち ホットケ-キばかりだったら どうし
よう.
ジジ : ぼく ホットケ-キ 好きたよ. 焦げてなきゃ.
キキ : 猫って 氣樂ね. いまに ホットケ-キみたいに 眞ん丸く なっても 知らないから.
素敵ね, ファッション デサイナ- なんだって.
ジジ : あそこんちの 猫 嫌いだよ. やたら きどってるんだもん.
キキ : はい, グウチョキ パン店です. え, はい, やってます! ジジ, お客よ, お客!
4時 半に お宅に 伺うんですね. 畏まりました. ご住所を 受けて 貰います.
はい, はい, 靑い 屋根の お宅ですね. はあ, ありがとう ございます. 必ず お伺
いします.
トンボ : やあ.
ください! これ.
キキ : ありがとう ございます.
トンボ : 賴むから 怒らないで 聞いてよ. 今日, 僕らの クラブの パ-ティが あるんだ. 飛
行クラブって 言うんだけど, ぜひ 君に 來て ほしいんだよ. これ, 招待狀.
まじめな 集まりなんだよ. へえ, みんな 君の 話を 聞きたがって いるんだ.
キキ : はっ, いらっしゃい.
おじさん : ここで 配達を やっとると 聞いたんだが.
キキ : は, はい! お屆け物ですか?
おじさん : こいつを 大急ぎで 運んで くれないかね.
キキ : お預かりします. うっ!
おじさん : 大丈夫かい?
キキ : ええ.
トンボ : 手傳うか?
キキ : いい.
トンボ : 6時に 迎えに 來るから それまでに 定めといてね. じゃあ!
キキ : あ!
おじさん : いくらだね?
キキ : あ, あの 市內ですか, 市外でしょうか?
おじさん : 箱に 書いといたんだが.
キキ : あ, すいません.
キキ : オソノさん!!
どうしょう パ-ティの 招待狀を 貰っちゃった!
オソノ : 素敵じゃない, 行って 來なさいよ.
キキ : でも, あたし この 服しか 持ってないもん!
オソノ : あら, そんな こと 氣に してるの? それ とっても いいよ. 黑は 女を 美しく 見
せるんだから.
キキ : ほんと?
オソノ : 仕事は?
キキ : あ, 二つも 入ってるんだ. もう 4時だわ, 大變--!!
すみません, 店番 お願いします! ジジ!! ジジ!!
オソノ : ふふ…
[上空]
ジジ : あんなに あの 子の こと 怒ってたのに パ-ティへ 行くの?
キキ : 聲を 掛けないで, 集中しないと この 荷物 重いんだから.
うっ, へっ, はあ, うっ, …
女子 : ありがとう ございました.
キキ : 急がなくちゃ!
次は 4時 半って 約束なのよ.
靑い 屋根よ.
[靑い 屋根の 邸]
キキ : あの, お屆け物の ご依賴を お受けした キキと 申します.
バ-サ : まあ, どうぞ.
時間どうりでしたね.
キキ : はい.
バ-サ : 奧さま, 見えましたよ.
老夫人 : あらあら, 大變. 困ったわね, もう 約束の 時間に なって しまったの?
バ-サ : どうぞ.
キキ : はい.
バ-サ : それ 預かりましょう.
黑猫に ほうき, 本當に 曾祖母ちゃんの 言ったとおりだわ.
キキ : 魔女の キキと 申します.
老夫人 : まあまあ, かわいい 魔女さんだこと.
それがね, 屆けて 貰う はずの 料理が まだ 燒けて ないのよ. ちっとも オ-ブン
の 溫度が 上がらないの. おかしいわね. 馱目ね, 機械も 人も 年を 取ると. 孫の
パ-ティに 溫かい お料理を 屆けて 貰おうと 思ったのよ. あたしの 自慢の 料理.
にしんと カボチャの 包み燒き. でも 諦めましょう, 孫には 電話で 謝って 置く
わ. あなたには 無馱足を させて しまったわね.
バ-サ, バ-サ, 魔女さんに お禮を お渡しして.
バ-サ : は, はい.
老夫人 : いいのよ, お約束の とおりに お渡しして.
キキ : 奧さま!
老夫人 : そう させて ちょうだい. あなたの せいでは ないんだから.
キキ : あ, 奧さま, 私 まだ ちょっと 時間が あるんです. その オ-ブンは 使えないので
すか?
老夫人 : え? ああ, これね. 昔は よく これで 燒いたけど, でも ずいぶん 使ってないから
…
キキ : 薪の オ-ブンなら 私も お手傳い できます. 舍で 母に 仕こまれました.
バ-サ : そうは 言っても 大仕事よ.
老夫人 : 名案ですよ. 私は 電氣は 嫌いだけど 薪なら 煖爐用のが あるし.
キキ : やりましょう, 奧さま.
老夫人 : そうね. じゃあ お願いしようかしら.
ジジ : いい 子ぶって パ-ティに 遲れても 知らないよ.
キキ : だって お金だけ 貰えないよ.
急がなくちゃ.
バ-サ : ほら, まだ 使えますよ.
老夫人 : お母さまの お仕こみが いいのね. 段取りが いいわ.
なんか ワクワクするわね.
バ-サ : 私は 電氣は 嫌いです.
老夫人 : ちょうど 頃合いね. あ, その くらいで いいわ.
あとは 待つだけね.
キキ : 40分くらいでしょうか.
老夫人 : え, そうね. さあ 一休みしましょう.
キキ : 他に 何か お手傳いする 事は ありませんか?
老夫人 : あら, そう. じゃ お願いしようかしら.
バ-サ : 惡いわね.
キキ : いいえ.
ジジ : もう 間に合わないと 思うよ, たぶん.
キキ : 心配いらん. フルスピ-ドで 飛ばせば 15分で ぎりぎり セ-フよ.
老夫人 : お茶が 入りましたよ. こっち いらっしゃい.
[食堂]
老夫人 : 6時から パ-ティ? 間に合うの?
キキ : 大丈夫です. 15分 あれば 足りますから.
老夫人 : 大變! あの 時計 10分 遲れてるのよ!
キキ : え!? どっ, どうしよう!!
老夫人 : 早く かまどへ! ね.
キキ : は, はい!!
老夫人 : バ-サ! バ-サ!
キキ : どうでしょう?
老夫人 : よく 燒けてるわ. さ, 早く.
キキ : はい.
バ-サ : え, はあはあ, あえ, 急いで!
キキ : はい!!
老夫人 : 忘れ物よ.
キキ : あ, いけません, こんなに!
老夫人 : 受け取って ちょうだい.
バ-サ : あ, 早く 早く!!
老夫人 : 素敵な パ-ティを!
バ-サ : そこから 出て.
[上空]
キキ : さっきまで あんなに いい お天氣だったのに!
ジジ : ヒゲが ピリピリする.
雨宿りしよう.
キキ : 馱目よ, 間に合わなく なっちゃうもん! この 料理も 冷ちゃうわ!
[孫女の 家]
孫女 : 何か ご用?
キキ : お屆け物です.
孫女 : まあ, ずぶぬれじゃない.
キキ : 急に 降って 來たものですから. でも お料理は 大丈夫です.
孫女 : だから 要らないって 言ったのよ.
內から聲 : なあに?
孫女 : お祖母ちゃんから また にしんの パイが 屆いたの.
キキ : あの, 受け取りに サインを お願いします.
孫女 : あたし この パイ 嫌いなのよね.
ジジ : 今の 本當に あの 人の 孫? ベ--!! ベ--!!
パ-ティ もう 間に合わない?
キキ, あの 男の子だよ! 今なら まだ 間に合うよ!!
[パン屋]
オソノ : 大變だったわね. あの 男の 子 隨分 待ってたのよ.
キキ : もう いいんです. この なりじゃ 行けないもの.
ジジ : どうしたの キキ? 頭でも 痛いの? 何か 食べようよ. ぼく おなか 減っちゃった.
[翌日 朝]
オソノ : キキ!!
具合が 惡いの? ひどい 熱ね!
キキ : 頭が ガンガンするの.
オソノ : あんた 昨日 ちゃんと 體を 拭かなかったでしょう.
キキ : あたし, このまま 死ぬのかしら…
オソノ : うん? くははは---, ただの 風邪よ. 藥を 持って 來て あげる. それに 何か 食べ
なきゃ 馱目ね.
キキ : ほしくない.
オソノ : 辛くても ちょっと 食べた 方が いいの. ミルク粥を 作って 來て あげるわ. ジジ
にもね.
ジジ : ニャオ∼∼∼ン……
オソノ : 風邪の 時は これが 一番! はい, ジジ. 熱いから 氣を つけな.
さ, 冷ないうちに 食べな. 起きられる?
キキ : どうしても 食べなきゃ だめ?
オソノ : 直りたかったらね. そうだ, さっき あの 男の 子が お店に 來たよ.
キキ : へえ!
オソノ : 病氣だって 言ったら 魔女も 病氣に なるんですか だって. うふふ, あとで お見
舞いに 來たいって. どうする?
キキ : だめ!
オソノ : へへ, たぶん そういうと 思って 鄭重に お斷りしといたわ. よく 休みなさい. 疲
れが 出たのよ.
窓を 開けとくね.
キキ : オソノさん……
オソノ : うん?
キキ : うん… なんでも ない……
[翌日 朝]
キキ : ジジ, ジジ!!
ジジ : な∼∼!? うわっ!
キキ : ジジ, ご飯よ.
オソノ : キキ! 今朝は どう?
キキ : もう すっかり いいみたい. ごめんなさい, 朝寢ぼうしちゃった.
オソノ : いいのよ. あとで ちょっと 賴みたい 事 あるよ. 來て!
キキ : はい!!
[パン屋]
キキ : コポリさんて いうの?
オソノ : そう. お禮は これで いい?
キキ : いらないわ. 近くだから 步いて 行けるし.
オソノ : だめよ. 仕事は 仕事. 必ず 本人に 渡してね.
キキ : ジジ!
ジジ : 仕事?
キキ : あら, お友達? なんていう 名ね?
ジジ : リリって いうの. 今 行く.
キキ : いいよ, ちょっとだから. リリさん よろしくね.
リリ : ニヤオオン∼∼∼
キキ : はあ, すてき……
トンボ : ねえ, 魔女子さん! 散步?
キキ : ううん, コポリという 人を 搜してるの.
トンボ : それ, 僕の ことだよ.
キキ : へ!?
トンボ : そっちへ 回って. すぐに 行くから.
キキ : あ, オソノさんだ.
トンボ : ありがとう.
キキ : あの, この 前 ごめんね. 隨分 待たせちゃって.
トンボ : ううん, 君こそ 雨の 中 大變だったね.
ねえ, ちょっと 寄ってかない? 見せたいものが あるんだ.
ねえ, 早く.
[車庫]
トンボ : こいつの 完成を 祝う パ-ティだったんだよ. 人力 飛行機の 機關部なんだ. ほら.
翼と 胴體は 別の ところで 組み立て中なんだ. この 夏休み中に 飛ばすんだぜ.
僕が パイロットで. ぶう--ん.
ね, 海岸に 行かない? 不時着した 飛行船を 見に 行こうよ.
キキ : 飛行船?
トンボ : あれ, テレビ- 見なかった?
キキ : 寢てたから.
トンボ : じゃ, なおさらだ. 行こう.
キキ : これで 行くのよ?
トンボ : そうさ. 訓練 訓練. 足を 鍛えなくちゃ. さ, 乘って.
キキ : うっ, ううん… あたし, 自轉車 初めてなの.
トンボ : 本當!? そりゃ いいや, ちょっと 足で 支えててね. 勢いが 付くまで. 行くよ!!
蹴て∼∼!
キキ : 降りる?
トンボ : No∼∼!!
人達 : ははは, 頑張れ--!! おいついたな! ははは--……
トンボ : 急カ-ブに かかったら 體を 外に 倒して. 體 傾けないと 曲れないんだ.
そうれっ!! いいぞ, その 調子!
すごい, 最高!!
キキ : 飛行船って あれ?
トンボ : ああ. わっ!!
飛んだ…!!
キ&ト : ウワアアア∼∼---……
[野]
キキ : トンボ, 大丈夫?
トンボ : ああ, キキは?
キキ : 平氣.
ふふふ, あはははは------……
トンボ : うん? そんなに 僕の 顔 變?
キキ : はは, 違う, ははは, ごめん, だって とても 怖かったもん!! うははは---…
トンボ : ははは---, 僕も 怖かったよ. ねえ, さき 魔法 使ったの?
キキ : わからない. 夢中だったから.
ああ∼, 自轉車 メチャクチャ∼∼!
トンボ : いけねえ, 仲間に 怒られる! キキ, 自轉車を 賴む.
キキ : どうしたの?
トンボ : ううっ, 自轉車 漕ぎすぎたんだ. まっ, 待て---
[海邊]
トンボ : いいな∼, あんなんで 世界一周できたら 最高だろうな. ねえ, 初めて 空を 飛ん
だ 時 どうだった?
キキ : 覺えて ないの. とても 小さかったから. でも ちっとも 怖がらなかったって 母さ
んが 言ったけど.
トンボ : ああ, 僕も 魔女の 家に 生れれば よかった. キキなんか ほうきで ついだけどさ,
僕なんか これだもん. へえ, へえ, へえ…
キキ : うふふ, あたしのは 仕事だもん. 樂しいことばかりじゃ ないわ.
トンボ : そうかな. 才能を 生かした 仕事だろ. すてきだよ.
キキ : あたし, ちょっと 自信を 無くしてたの. でも 今日 ここに 來て よかった. 海を
見てると 元氣に なれそう.
トンボ : よかったら いつでも 連れて 來て やるよ. 訓練を 兼ねてね.
キキ : トンボって いい 人ね.
トンボ : あれ? 今頃 氣が ついたわ?
キキ : だって 初め 不良みたいだった.
トンボ : お袋がさあ, よく 言うんだ. この 不良息子, 空ばっかり 見てないで 勉强しろっ
てね.
少女A : トンボ!!
トンボ : うん?
少女A : スッゴイ ニュ-スよ!
トンボ : 何?
少女A : いいこと. 早く!
トンボ : ちょっと 待っててね.
少女B : 飛行船の 中 見せて くれるって. 行く?
トンボ : わあ, すごいぞ, 行く行く!
少女B : ね, あの 子 だれ?
トンボ : 魔女の キキって いうんだ. キキ, 一緖に 行かない? 飛行船の 中 見せて くれる
って.
キキ : あたし いい.
トンボ : ねえ, いこうよ.
少女C : あの 子 知ってる. 宅急便 やってる 子よ.
少女B : へえ, もう はたらいてるの?
少女A : 逞しい∼!
トンボ : 行こうよ, 皆に 紹介するから.
キキ : 行かない. さよなら!
トンボ : おっ? なんだよ? ねえ, 何 怒ってるの?
キキ : 怒ってなんか いないわ. あたしは 仕事が あるの. ついて こないで!
トンボ : お?
少女達 : トンボ, いくよ!
[キキの 部屋]
キキ : ジジ, あたしって どうか してる? せっかく 友達が できたのに 急に 憎らしく な
っちゃう. 素直で 明るい キキは どこかへ 行っちゃったみたい.
…? つめたいの.
キキ : ジジ, いくら いい 人が できたからって 食事の 時間は 守って ほしいわ. ちっと
も 片付きゃ しない.
ジジ : にやおお…
キキ : なによ, 猫みたいな 聲 出して.
ジジ : にやおお…
キキ : ジジ? あなた 言葉 どうしたの? キキって 言ってごらん, ジジ.
ジジ! どうしちゃったのかしら, ジジの 言葉が わからなく なっちゃったみたい.
あ, 大變!!
魔法が 弱く なってる…!!
[翌日 朝]
オソノ : 飛べない? 魔法が 消えちゃったわけ?
キキ : とても 弱く なっちゃったの. だから お屆け物の 仕事も 休まないと. その 代わ
り お店の 手傳い きちんと やります! どうか あの 部屋に いさせて ください!
オソノ : そりゃ 構わないけど 魔法の 力って 戾るんでしょ?
キキ : わからないの. ほうきは 作れるけど.
おじさん : おい!
トンボ : キキ, 僕 トンボ. 今日さ 飛行船から 手を 振ったの 見せた? 船長がね, テスト
飛行に 乘せて くれたんだ. もう 最高だったよ. もしもし, 聞いてるよ キキ?
キキ : もう 電話 しないで.
トンボ : え, なに? 聞こえないよ. 船長がね, 君に 會いたいって. お? もしもし? もしも
し!
オソノ : どうしたの キキ? 顔が 眞っ靑よ.
キキ : あたし 修行中のみなんです. 魔法が なくなったら, あたし, 何の 取柄も なくな
っちゃう!
[ある 日]
ウルスラ : キキ! はあい!
キキ : はあ!?
ウルスラ : なんだ. ちっとも 來て くれないだから 自分から 來ちゃったよ.
キキ : ごめんなさい.
ウルスラ : というのは 噓. 買い出しに 來たついで.
キキ : 寄ってて, 今 仕事が 一區切りした とこなの.
ウルスラ : もちろん その つもり.
[キキの 部屋]
ウルスラ : 案外 いい 部屋ね.
キキ : よかったら 食べて. 今 お茶 入れて くる.
ウルスラ : お茶は いいよ. ミルク あったら くれる?
キキ : うん.
ウルスラ : はは, ほんとだね. あの ぬいぐるみに そっくりだ. 君 ジジって いうんだろ?
商賣は どう? 軌道に 乘った?
…うまくないの?
キキ : 今 お休み中なの.
ウルスラ : へえ?
ウルスラ : ふん, どうりで 落ちこんでると 思ったよ. 魔法にも そんな ことが あるんだね.
ねえ, あたしの 小屋に 泊りに おいでよ.
キキ : へ?
ウルスラ : 店の 人に 辭わってさ. 一日くらい いいじゃない. ジジ, あんたも 來るかい?
はは---, 彼女の 方が いっか. ね, 定めよ, すぐ 出發!
ジジ : にやお……
[ウルスラの 小屋へ 行く 途中]
ウルスラ : 來てるよ.
ウルスラ : ははは, やあ, ついた…!
キキ : すてき---!
ウルスラ : なによ, この 美人が 目に 入らないのかしらね.
ウルスラ : あん? あたしを 男だと 思ったの!?
運轉士 : そんな なり しとるもんな.
ウルスラ : はあ, この 脚線美が わからないとはね.
[ウルスラの 小屋]
キキ : 烏!
ウルスラ : すっかり 友達に なっちゃったんだ.
キキ : へえ…
ウルスラ : やほ, だだいま!
キキ : こんにちは! この 前は ごめんね!
ウルスラ : 先に 入ってて. 水 汲んで 來るから.
ウルスラ : どう?
キキ : 素敵……
ウルスラ : キキに 會ってね, この 繪 畵こうって 定めたの. でもね, この 子が 定まらない
のよね. キキが 來るのを ずっと 待ってたんだよ.
キキ : これ, あたし?
ウルスラ : まあね. ちょっと そこに 座って. モデルに なって くれる?
キキ : でも あたし, こんなに 美人じゃない!
ウルスラ : ははは----!! あんたの 顔 いいよ. この 前より ずっと いい 顔 してる. さあ,
座って. その いすが いい.
ちょっと 顔を 上げて, 遠くを 見るように. そう, そう してて.
魔法も 繪も 似てるんだね. あたしも よく 畵けなくなるよ.
キキ : ほんと? そうゆう 時 どう するの?
ウルスラ : 馱目だよ, こっち 見ちゃ.
キキ : あたし, 前は なにも 考えなくても 飛べたの. でも 今は どうやって 飛べたのか
わからなく なっちゃった.
ウルスラ : そういう 時は ジタバタ するしか ないよ. 畵いて 畵いて 畵きまくる!
キキ : でも やっぱり 飛べなかったら?
ウルスラ : 畵くのを やめる. 散步を したり 景色を 見たり, 晝寢を したり, なにも しない.
その うちに 急に 繪きたくなるんだよ.
キキ : なるかしら.
ウルスラ : なるさ. さあ, ほら 橫 向いて.
[夜]
ウルスラ : あたしさあ, キキぐらいの 時に 繪畵きに なろうと 定めたの. 繪畵くの 樂しくて
さ, 寢るのが 惜しいくらいだったんだよ. それがね, ある 日 全然 畵けなくなっ
ちゃった. 畵いても 畵いても 氣に 入らないの. それまでの 繪が 誰かの 眞似だ
って わかったんだよ. とこかで 見たことが あるってね. 自分の 繪を 畵かなきゃ
って.
キキ : 苦しかった?
ウルスラ : それは 今も 同じ. でもね, その 後 少し 前より 繪を 畵くって 事 判ったみた
い.
魔法ってさ, 呪文を 唱えるんじゃないんだね.
キキ : うん. 血で 飛ぶんだって.
ウルスラ : 魔女の 血か. いいね, あたし そうゆうの 好きよ. 魔女の 血, 繪畵きの 血, パン
職人の
血. 神樣か 誰かが くれた 力なんだよね. お陰で 苦力も するけどさ.
キキ : あたし, 魔法って 何か 考えたことも なかったの. 修行なんて 古くさい しきたり
だって 思ってた.
今日 あなたが 來て くれて とても 嬉しかったの. あたし 一人じゃ, ただ ジタバ
タしてた だけだわ.
ウルスラ : あのね, この 繪, ほんとは 消しちゃおうかって 何度も 思ったんだよ.
キキ : こんな すてきなのに?
ウルスラ : 今日 キキに 會ってさ, 惱んでる キキの 顔 見たらさ, これだ! って 畵けそうな
氣が して 來たの.
キキ : あっ, 意地惡!
ウルスラ : はははは, だから 相子!
キキ : うふふ…
ウルスラ : さ, 消すよ.
キキ : うん.
ベッド 取っちゃって 惡いね.
ウルスラ : いいよ.
キキ : 時時 ここに 來て いい?
ウルスラ : うん. 夏中は いる 氣だから. あたしも 時時 會いに 行くよ.
キキ : うん.
[翌日]
テレビ- : 豪雨のため, 當市に 不時着した 飛行船 '自由の 冒險號'は この ほど 修理を 齊
ませ, 本日 南極 探險の 旅を 再開する ことに なりました.
オソノ : はい, グウチョキ パン店です. ああ, キキ. うん. もっと ゆっくりして いても
いいのに. ああ, それからね, この 前の お婆ちゃんが また 來て くれって. どう
する? 斷ろうか? 當分 お休みって 言ったんだけど どうしてもって 言うのよ. そ
う, じゃ 歸りに よってね. はい.
[靑い 屋根の 邸]
キキ : こんにちは.
バ-サ : まあまあ, お待ちかねですよ.
テレビ- : 出發まで あと 5分も 余ってる 頃と なりました. ……
キキ : 參りました, 奧さま.
老夫人 : いらっしゃい. 今日は このままで 勘弁してね. お天氣が いいのに 足が 痛むの.
バ-サ, あれを!
バ-サ : はいはい, 奧さま, 飛びましたか?
老夫人 : まだよ. おかしいのよ, この 人 飛行船に 夢中なの.
バ-サ : 冒險が 好きなんです.
老夫人 : ちょっと 音 小さく してね. キキ, この 箱 ちょっと 開けて?
キキ : はい.
奧さま, これ…!!
老夫人 : それを キキと 言う 人に 屆けて ほしいの. この 前 とっても お世話に なったか
ら. その お禮なのよ. ついでに その 子の お誕生日を 聞いて 來て くれると 嬉
しいんだけど. また ケ-キを 燒けるでしょう?
キキ?
キキ : きっと, きっと, その 子も お婆さまの お誕生日を 知りたがるわ! プレセントを
お考える 樂しみが できるから!
老夫人 : ほんとね.
老&キ : うふっ, ははは……
テレビ- : うあああ∼∼!!
老夫人 : どうしたの?
バ-サ : なにか 事件が 起きたようですよ.
テレビ- : 大變です! !ロ-プが 切れました!! 飛行船が 流されて います!!
うわ, 飛行船が 我我の……うわああ∼∼!!
バ-サ : ああ, 肝心な 時に 何を 映したんだよ.
老夫人 : 夏に ときたま こうゆう 風が 吹くの. じきに ここへも 來るわ.
大丈夫, 通り過ぎるだけよ.
バ-サ : 奧さま, 映りましたよ.
逆樣に なってる. こんな もの ただの 風船ね.
テレビ- : 飛行船 自由の 冒險號は 突然の……殘された 最後の ロ-プを 伸ばしに……飛べる
事が 出來るでしょうか.
ああ!! 馱目です!! すさまじい ヘリウムが くそ力で うえに……
キキ : トンボ!! あの 子 あたしの 友達なの!!
バ-サ : はあ!?
キキ : トンボ……
老夫人 : あなたの 友達ですって?
キキ : あたし 行きます!!
老夫人 : 氣を つけてね.
バ-サ : 大變∼.
[飛行船]
船長 : 頑張れ∼!! 手を 放すな!!
この ヘリウムを ぬけ! 急げ!!
トンボ : うわ, わああ∼∼∼!
[道路]
キキ : トンボは, 男の 子は 無事ですか!?
男子 : さあ, パトカ-は 落ちたって 言ってたけど.
消防車 : 道を 開きなさい!! どきなさい!! 早く どきなさい!!
淸掃夫 : 大丈夫かね?
キキ : おじさん! その ブラッシュを 貸して ください!!
淸掃夫 : うん?
キキ : お願い! 必ず お返しします!!
淸掃夫 : ああ, それは まあ…
キキ : すみません!!
淸掃夫 : おおっ!!
キキ : 飛べ…!
人達 : うわあ----!! 飛んだ…!!
キキ : まっすぐ 飛びなさい, 燃やしちゃうわよ!!
アナウンサ : 少年は まだ 無事ですが 飛行船 '自由の 冒險號'は 風に 流されて シティ- タワ-
に 近付いて 行きます! このままでは シティ- タワ-との 衝突は 避けられませ
ん!!
トンボ : ぶつかるぞ----!! 高度を 上げろ----!!
船長 : ガスが 足りない! ぶつかる 寸前に 塔に 飛び移れ---!!
トンボ : やって みます!
時計員 : おおい, ここへ 來いよ!!
トンボ : おじさん, 逃げて∼∼!!
時計員 : まれ!
キキ : もっと 速く! こら∼∼!!
アナウンサ : お聞き 下さい! すごい ガスもれの 音です! 少年は どう なったのか, この 角度
からは 見えません!
倒れます!! ガスが 拔けて, 飛行船が 倒れます!!
人達 : うわあああ∼∼----!!!
アナウンサ : ああ, ひっかかった, 止まった! 止まりました!!
男子 : ああ, あそこ 見よ!!
アナウンサ : いた!! 少年が いました!! 奇蹟です, 少年は まだ ぶらさがって います! だが い
ったい どう やって 助ければ よいのでしょう! このまま あの 勇敢な 少年を 見
捨て…
なんだ, あれは? 鳥? 違います! 少女だ!! 少女が 空を 飛んで 行きます!! 魔女で
す!! ほうき, じゃない, デッキブラッシュに 乘った 魔女です!!
老夫人 : キキよ!!
バ-サ : それ!
オソノ : あの 子 飛んだわ!!
ケト : 頑張れ!
キキ : トンボ!!
トンボ : キキ!!
キキ : こら, いい 子だから ゆう こと 聞いて!!
乘務員達 : おい! 頑張れ!! もう ちょっとだ!! 頑張れよ--!!
キキ : トンボ!!
トンボ : キキ!!
アナウンサ : 頑張れ!! もう ちょっとだ!!
人達 : 頑張れ!! 頑張れ!! 頑張れ!! 頑張れ!!
トンボ : うわああ----!!
アナウンサ : 受け止めた!! 空中で 受け止めました!!
今 地上に 落り立ちました. 感動的な 光景です! 飛行船の 乘員も 無事のようで
す.
淸掃夫 : あの デッキ ブラッシュは わしが 貸したんだぞ!
老夫人 : ははは, やめてよ バ-サ! あははは---……
オソノ : えらいよ, キキ. よく やったね. あっ, あんた, 先生を 呼んで. 生まれそうよ!
おじさん : おおっ!
キキ : あ, ジジ!
やさしさに 包まれたなら
小さい 頃は 神さまがいて
不思議に 夢を かなえて くれた
やさしい 氣持ちで 目覺めた 朝は
おとなに なっても 奇蹟は おこるよ
カ-テンを 開いて 靜かな 木もれ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセ-ジ
小さい 頃は 神さまが いて
每日 愛を とどけて くれた
心の おくに しまい忘れた
大切な 籍 ひらく 時は 今
雨上がりの 庭で くちなしの 香りの
やさしさに 包まれたなら きっと
目に うつる 全ての ことは メッセ-ジ
カ-テンを 開いて 靜かな 木もれ陽の
やさしさに 包まれたなら きっと
目に うつる 全ての ことは メッセ-ジ
[つたで 覇われた 家]
父さん : 母さん!! キキからの 手紙だよ!!
母さん : ええ!? あっ!!
父さん : お父さん, お母さん, お元氣ですか? 私も ジジも とても 元氣です.
キキ(聲) : 仕事の 方も なんとか 軌道に 乘って, 少し 自信が 付いたみたい. 落ちこむこと
も あるけれど, あたし, この 街が 好きです.
<完>
作成者 : 河 周瑩(haime - Hitel)
作成日 : 1995年 7月 15日
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